130: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/19(土) 01:18:48.77 ID:oirXOrgR0
「……っ!」
つい覗き込んでしまった彼の瞳の色を見て、背筋が凍りそうになる。
眼を逸らしてからしまったと息を呑む。けれど彼はにやり、意地の悪そうな笑みを浮かべるばかり。
「ゴーヤ」
「なぁに」
「『おれ』は狂っているか? 『俺』もまた狂ってんのかな?」
「たまにそーゆーわけわかんないことを言わないで欲しいでち」
「悪い悪い。んで、なぁ、新入り。他人のために頑張ってくれよ。自分のために頑張ると、人間、とかく手を抜きたがる生き物だ。理屈と膏薬はどこにでもつく。自分に言い訳をするのは簡単だからな」
「……善処します」
言って、疑問が浮かぶ。他人のために。誰のために?
私にはもう、そんな相手なぞどこにもいやしないというのに。
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