55: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:38:56.26 ID:OJA0wgUK0
☆
56: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:39:23.52 ID:OJA0wgUK0
私は今のプロデューサーに答えを出してもらおうとしていた。
これは決して不自然な行為ではない。
状況を単純化して考えれば、私の担当プロデューサーが元に戻るか戻らないかというのは、私を含め三人の人間に影響を与えることになる。
57: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:39:52.79 ID:OJA0wgUK0
「……いきなりどうしたんだ?」
バックミラーを覗いて、彼の顔を窺う。
58: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:40:28.78 ID:OJA0wgUK0
「えっとな、俺はそもそも、アイドルのプロデュースは初めてだから、どう思うもこうもないんだ」
「ただ、何というか、想像よりは楽だよ」
59: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:41:31.51 ID:OJA0wgUK0
「ほら、例えばさ。デビューしたてのアイドルの担当をするとするだろ」
「仮にその子がすごく几帳面な子で、レッスンには十五分前からやってくるし、空いた時間に自主レッスンだったり台本の予習だったりをするような、典型的に真面目な子だったとする」
60: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:43:06.16 ID:OJA0wgUK0
「ちょっと待って、え?」
「あれ? 聞いてない?」
61: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:43:40.14 ID:OJA0wgUK0
その後、彼から聞いた話ではこうだった。
62: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:44:15.39 ID:OJA0wgUK0
☆
63: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:44:45.89 ID:OJA0wgUK0
「杏、今のプロデューサーのところに留まろうと思うんだ」
64: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:45:21.25 ID:OJA0wgUK0
私は息を吸い込む。ここからは演技を捨てて、ネタばらしの時間だ。
狼狽と怯えに身体をすっかり乗っ取られてしまっている彼の眼を見て、私は思わずくつくつと笑ってしまう。
あの言葉を言い放つ。大人がよく使う、あれだ。
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