27:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:48:07.68 ID:XLNzjGnq0
◇
できることならここに篭っていたかったのだが、霧子の意見はロッジに来られる前に、どうにかした方が良い、というものだった。
28:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:48:41.95 ID:XLNzjGnq0
俺たちは、サングラス・ペットボトル(一人二本)・軽目の食料が入ったリュック・備え付けの双眼鏡・懐中電灯等を持って、裏山に入っていった。暗くなる前にどうにかしたい、というのが霧子の考えだったし、俺たちもそれには賛成した。
果たしてアイツの視線に耐えられるのか? 望遠鏡越しではなく、グラサンがあるとはいえ、間近でアイツに耐えられるのか? 様々な不安が頭の中を駆け巡った。
29:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:49:19.06 ID:XLNzjGnq0
「霧子の言葉をおさらいするぞ」
「はいっす」
30:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:49:51.17 ID:XLNzjGnq0
◇
「プロデューサーさま……」
31:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:50:39.89 ID:XLNzjGnq0
ハッ、とした。寝てた? あり得ない、あの恐怖と緊張感の中で。眠らされた?
あたりを見渡す。あさひと冬優子が寝ている。急いで起こす。二人が飛び起きる。
32:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:51:06.83 ID:XLNzjGnq0
「いいか! 足元だけを照らせ!」
俺は叫び、あさひの懐中電灯がヤツが出てこようとする、茂みの下方を照らした。
33:名無しNIPPER
2019/07/26(金) 17:51:56.05 ID:XLNzjGnq0
ヤツが腰を落とし、四つんばいになり、足を照らす懐中電灯の明かりの位置に、顔を持ってきた。直視してしまった。
昼間と同じ感情が襲ってきた。死にたい死にたい死にたい……。こんな顔を見るくらいなら、死んだ方がマシだ。
34:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:55:20.17 ID:XLNzjGnq0
>>33 すみません誤字がありました
叫び声sww→叫び声で
35:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:56:30.98 ID:XLNzjGnq0
身体の底から、力が湧いてきた。ヤツの注意を向けようと出せる限りの大声を出して、地面に落ちた懐中電灯を取り上げ、冬優子の落としたペットボトルを手に取った。
「冬優子! 目を瞑ってろ! 絶対に目を開けるなよ!」
36:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:57:58.31 ID:XLNzjGnq0
呼吸がドンドン加速していって、頭がクラクラする。このままでは過呼吸になってしまいそうだった。
「あさひも目を瞑れ! 絶対見るなよ!」
37:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:59:19.12 ID:XLNzjGnq0
「あっ…………」
ぐにゅっとした、柔らかな感覚。俺の左手が、何かを押し込んだ。
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