33:名無しNIPPER
2019/07/26(金) 17:51:56.05 ID:XLNzjGnq0
ヤツが腰を落とし、四つんばいになり、足を照らす懐中電灯の明かりの位置に、顔を持ってきた。直視してしまった。
昼間と同じ感情が襲ってきた。死にたい死にたい死にたい……。こんな顔を見るくらいなら、死んだ方がマシだ。
視界の端で冬優子が持っていたペットボトルを落として、号泣している。俺も思わずライトを落としてしまう。足元に転がったそれがヤツの体を照らす。意味の分からないおぞましい歌を歌いながら、四つんばいで、生まれたての子馬の様な動きで近づいてくる。右手には錆びた鎌。舌でも噛んで死のうか、と思ったその時。
俺の携帯が鳴った。
一瞬、混濁していた意識がフッと引き上げられる。ポケットから携帯を取り出し、見る。
『杜野凛世』の名前があった。鳴り続けている着信音とともに、次第に意識が明瞭になっていく。
「いやああああああああああ!!」
叫び声sww我に返った。ヤツが冬優子の方に向かっていた。
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