35:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:56:30.98 ID:XLNzjGnq0
身体の底から、力が湧いてきた。ヤツの注意を向けようと出せる限りの大声を出して、地面に落ちた懐中電灯を取り上げ、冬優子の落としたペットボトルを手に取った。
「冬優子! 目を瞑ってろ! 絶対に目を開けるなよ!」
ペットボトルの蓋を開けて、入っている小便をまき散らすように滅茶苦茶に振り回す。馬の嘶きの様な悲鳴が微かに聞こえる。あっという間に重さがなくなっていく。
薄く目を開けて、冬優子が持っていたもう一本のペットボトルを探り当てる。振り回す。悲鳴は聞こえるけれど、まだ確実にそこにいる。中身が空になる。
「プロデューサーさん……!」
俺の右隣から、あさひの絞り出すような、掠れた声が聞こえてきた。同時に、脇腹に何かがぶつかる感覚。ペットボトルであるのはすぐに分かった。
「直接口に含んで……そっちの方が効率が……!」
考えている暇はなかった。ヤツの顔を照らし、視線の外で位置を見る。
拾い上げたペットボトルのに口を付け、小便を口に含み、ライトでヤツの顔を照らしたまま、しゃがんでヤツの顔にしょんべんを吹きかける瞬間、目を瞑る。霧の様に吹く。
さらに口に含み、吹く。吹く。ヤツの目に。目に。
さっきのとはまた一段と高い、ヤツの悲鳴が聞こえる。だが、まだそこにいる。
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