11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:30:19.81 ID:XLNzjGnq0
「あさひ! 冬優子!」
玄関から反対側、つまりロッジの奥にある出窓の前で、あさひは頭を抱え、冬優子はもがくようにじたばたと身体を動かしていた。
12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:31:39.92 ID:XLNzjGnq0
まだ落ち着きのないあさひが、窓の前に鎮座している望遠鏡を指さした。反射的に、というか深く考えることなく、裏山に向いている望遠鏡を覗き込んだ。
誰が持ってきたのか、はたまた元々あるものなのかはわからないが、望遠鏡は高性能なもので、遠くの景色でも綺麗に見える。
13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:32:37.41 ID:XLNzjGnq0
「これ以上見てはいけない」
と本能的にそう感じた。だが、遅かった。望遠鏡の視界の中に、ソイツの顔が入ってきたのだ。
14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:33:17.27 ID:XLNzjGnq0
「プロデューサー!!」
15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:34:28.02 ID:XLNzjGnq0
爆発しそうな心臓を無意識に抑える。恐怖のせいか、上手く呼吸ができていない。
震えの混じった声で、あさひが口を開いた。
16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:35:51.40 ID:XLNzjGnq0
◇
「それで、どうすんのプロデューサー?」
17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:36:33.23 ID:XLNzjGnq0
「いや、実は前にもこういうのに遭遇したことがあってな……」
「……今回のも、あんたが原因なんじゃないの?」
18:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:37:23.02 ID:XLNzjGnq0
愛依の言葉に心臓を掴まれたような感覚に陥る。努めて冷静に返事をせねば。
「な、な、なぁんでわかったのかな?」
19:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:39:13.94 ID:XLNzjGnq0
永遠にも思えたコール音だった。だから、ぷつっという音とともに聞こえてくる声が、まるで天使の声のように聞こえたのも、致し方ないことだといえよう。
『もしもし……プロデューサーさん?』
20:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:39:58.02 ID:XLNzjGnq0
「じゃし?」
『はい。邪悪な視線、と書いて邪視と読みます。プロデューサーさん、サングラスはありますか?』
21:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:40:26.73 ID:XLNzjGnq0
「う……」
「大丈夫っすか?」
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