15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:34:28.02 ID:XLNzjGnq0
爆発しそうな心臓を無意識に抑える。恐怖のせいか、上手く呼吸ができていない。
震えの混じった声で、あさひが口を開いた。
「……ごめんなさい。あたし、どうしても裏山に何があるか気になって。だから、皆より早起きしてここから裏山を観察してたんす。そうしたら、アレが目に入って、気が付いたら……」
ここまで凹んで、小さくなるあさひを見たのは初めてだった。普段とのギャップも相まって悲壮感すら漂わせるその姿は、何か一言言ってやろうという冬優子の吊り上げた眉毛が段々と下がり、最終的にはハの字になってしまうほど。愛依も頬をかくしぐさをしながら何を言うべきか躊躇している。
「大丈夫だ。あさひは俺の言ったことは破っていない。そうだろ?」
「プロデューサーさん……」
ポン、と愛依があさひの背中に触れた。
「そうだよ! そもそもはうちが変なこと言っちゃったのが悪いんだし。怖かったっしょ? ごめん、あさひちゃん」
「愛依ちゃん……」
冬優子は困り顔のまま、俺と愛依を交互に見つめてから、
「……ま、次は気を付けなさいよ」
と言った。
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