石動乃絵「しんいちろーのお尻の中にもあぶらむし〜」仲上眞一郎「やめてくれ!」
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1
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:22:15.86 ID:ZOjUA0V2O
麦端高校に通う、高校一年生である仲上眞一郎を取り巻く環境は、少々複雑だ。
酒蔵を営む家系のひとり息子であり、両親と3人で暮らしていた頃は至って平凡な暮らしをしていたのだが、一年前のある日、両親を亡くして身寄りが居なくなった湯浅比呂美と同居するようになってから、普通ではなくなった。
というのも、眞一郎は幼馴染とも呼べる比呂美のことを、密かに意識していたからだ。
長い艶やかな黒髪が特徴的な比呂美は美人であり、且つ成績優秀という才色兼備な優等生であるにもかかわらずそれを鼻にかけた様子もないところが周囲の好感を集め、眞一郎も周りと同じくそんな比呂美に好意を抱いていたのだ。
そんな存在と一つ屋根の下で暮らすことを、悪友である野伏三代吉はしきりに羨ましがっていたが、当事者からすると嬉しくもなんともない、というのが現状であり、現実だった。
「あ、おはよ」
「うん。おはよう、眞一郎くん」
朝起きて、顔を洗おうと洗面所の扉を開いた眞一郎は、先に顔を洗っていたらしいパジャマ姿の比呂美と出くわし、固まってしまった。
一緒に暮らしているからと言って、比呂美のパジャマ姿をいつも拝める関係性ではないので、眞一郎としては嬉しいやら、気まずいやら。
「ごめんなさい。洗面台、使っていいよ」
「い、いいよ。ゆっくり使えば」
「私はもう済んだから」
また、比呂美はごめんなさいと口にした。
それが堪らなく不憫に思えて、憤りを覚える。
他人の家の中で肩身の狭い思いをして、小さくなっている彼女を見るのが、眞一郎は辛かった。
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2
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:23:45.00 ID:ZOjUA0V2O
「……本当にいいのか?」
「うん。邪魔して、ごめんね」
また、比呂美が謝罪を口にした。
その責任の一端は、眞一郎にもあった。
以下略
AAS
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:25:04.02 ID:ZOjUA0V2O
「うげ!」
「ぷっ」
思わず吐き出すと、比呂美が噴き出した。
いつも家では物静かな彼女のその反応に呆気に取られていると、比呂美は思い出したように。
以下略
AAS
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:26:14.34 ID:ZOjUA0V2O
「あなた、どうかしたの?」
「えっ?」
場面は変わって、その日の放課後。
仲上眞一郎は石動乃絵と行動を共にしていた。
以下略
AAS
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:27:25.36 ID:ZOjUA0V2O
「なるほどね」
今朝あった出来事を話すと、乃絵は納得した。
意外にも、怒り狂う様子はなかった。
とはいえ、女というのは一見して腹の中で何を考えているのかよくわからない生き物であることを眞一郎はなんとなく理解しかけている。
以下略
AAS
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:29:30.84 ID:ZOjUA0V2O
「ちゅっ」
「んなっ!?」
それは、一瞬の出来事であった。
極限まで接近し、今にも鼻先が触れ合いそうな距離にいた乃絵が、眞一郎の鼻先に触れた。
以下略
AAS
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:32:21.39 ID:ZOjUA0V2O
申し訳ありません。
5レス目と6レス目の投稿の順序が逆でした。
お手数ですが、脳内で変換して頂けたらありがたいです。
それでは以下、続きです。
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:33:36.23 ID:ZOjUA0V2O
「ぷくく……洗顔フォームでお腹を壊すなんて」
「笑うなよ」
人の不幸を嘲笑う乃絵に、眞一郎は抗議した。
以下略
AAS
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:34:53.97 ID:ZOjUA0V2O
「ふぅ……間に合った」
眞一郎は安堵していた。
石動乃絵に便意を看破された時はどうなることかと思ったが、むしろその結果、自然な形で早めにトイレへと向かうことが出来たのはまさしく不幸中の幸いと言えよう。おかげで助かった。
以下略
AAS
10
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:36:43.42 ID:ZOjUA0V2O
「前にも言ったけれど、あなたは飛べるわ」
そう言われて、過去の記憶が蘇る。
乃絵は眞一郎が空高く飛べると信じていた。
だから、ことあるごとに飛べると言われた。
以下略
AAS
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:38:23.98 ID:ZOjUA0V2O
「乃絵、お前……」
「ごめんなさい。今の私には、これが精一杯」
石動乃絵は力なく笑い、謝罪を口にした。
彼女のスカートの裾からは水滴が溢れ落ちており、仲上眞一郎はようやく状況を把握した。
以下略
AAS
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:39:25.21 ID:ZOjUA0V2O
「気を取り直して、続きよ」
「はいはい」
閑話休題。
気を取り直して、シリアスな場面を再開する。
以下略
AAS
13
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:40:21.82 ID:ZOjUA0V2O
「とても素晴らしかったわ」
「そりゃどうも」
乃絵の賞賛に素っ気なく返す眞一郎。
すっかり乗せられてしまった感が拭えない。
以下略
AAS
14
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:41:25.92 ID:ZOjUA0V2O
「しんちゃん、おかえりなさい」
「……ただいま」
あれから乃絵と別れて帰路に着き。
眞一郎が帰宅すると、必ず母親が出迎える。
以下略
AAS
15
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:42:21.26 ID:ZOjUA0V2O
「それで眞一郎、何があったんだ?」
眞一郎の父、宗弘は寡黙な人だった。
かと言って厳格というわけでもなく、無論、厳しくないと言えば語弊があるが、母親のように小言を頻繁に口にするような父親ではなかった。
だからこれまで、色々と見逃してくれたことも多かった父なのだが、今日に限ってはいつもと違うようで、眞一郎は対応に困ってしまった。
以下略
AAS
16
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:44:05.03 ID:ZOjUA0V2O
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
響き渡る、父、宗弘の哄笑。
眞一郎としをりは、呆然としていた。
よもやあの口数の少ない、寡黙な父が。
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2019/06/30(日) 23:49:17.87 ID:ZOjUA0V2O
「眞一郎くん、やっぱりお腹壊したんだ……」
比呂美はそのやり取りの一部始終を、自室で耳を澄ませて一言一句漏らさずに聞いていた。
朝、彼が洗顔フォームを口にしたその時から、お腹を壊さないかどうか期待……もとい、心配していたのだが、その懸念は見事的中してしまった。
以下略
AAS
18
:
名無しNIPPER
2019/07/01(月) 21:17:59.88 ID:1yJ7wpDkO
乙
久しぶりにリフレクティアでも聞くか……
19
:
名無しNIPPER
[sage]
2019/07/01(月) 23:46:39.92 ID:ke7TE47mo
うーんこの
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