【バンドリ】さあやとサアヤの話
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43:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:06:20.77 ID:YWfCY9A20

「…………」

 そして……と、家族構成のことについてうっかり考えてしまい、沙綾は瞳に涙が滲んできて、部屋の天井を見上げる。

以下略 AAS



44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:06:50.48 ID:YWfCY9A20

 ……もう二度と会えないはずだった。もうずっと、記憶の中でしか優しい笑みも温かさも声も感じることが出来なくて、その思い出も薄れていってしまうだけのはずだった。

 だけど、何度頬をつねっても、目をこすっても、優しい記憶の中と変わらない姿の母がここにはあった。

以下略 AAS



45:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:07:28.15 ID:YWfCY9A20

「うう……っ、うああ……」

 一度考えてしまうと止まらなかった。もう二度と話すことも触れることも甘えることも出来ないと思っていた、母親の存在が手を伸ばせばすぐに届く場所にある。

以下略 AAS



46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:07:55.05 ID:YWfCY9A20

「はぁ……」

 意外と泣き虫な自分へ向けて呆れたようにため息を吐き出す。けれど、泣いたら泣いたで沙綾はなんだかスッキリとしていた。

以下略 AAS



47:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:08:33.64 ID:YWfCY9A20


 翌朝。

 いつもよりもやや遅い時間に起床した沙綾は身支度を整え、迎えに来てくれると言っていたアリサを待ってから家を出た。
以下略 AAS



48:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:09:44.89 ID:YWfCY9A20

「あ、おはよう、有咲ちゃんと……サアヤちゃん?」

 反応が一々可愛いなぁ、と沙綾が思っていると、後ろから控えめな声がかけられる。振り向けば、小さな背丈で少しだけ俯き加減なリミの姿があった。

以下略 AAS



49:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:10:13.76 ID:YWfCY9A20

 確か、香澄ちゃんと有咲ちゃんとりみちゃんは同じクラスで、加えて席も三人並んでいたと聞いていた。たえちゃんだけは違うクラスで、毎朝『今生さらば』みたいな別れの寸劇をするのをやめてくれ、と有咲ちゃんが一昨日に言っていたのも覚えている。

 その有咲ちゃんがこっちの世界だと違うクラスで逆の立場になっていることに、なんだか数奇な巡り合わせみたいなものを感じてしまう。もしも生まれ変われたら、なんてタワゴトを話し合った時に言っていたことが実現しているのが何とも皮肉というか、なんというか。

以下略 AAS



50:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:11:06.15 ID:YWfCY9A20


 沙綾にとって、明るい教室で授業を受けるのは懐かしさと新鮮さが入り混じった体験だった。

 太陽の柔らかい光が差し込み、空席がある方が珍しい賑やかな教室。中学校まではこういう空間で自分も授業を受けていたことを、十年来の旧友に顔を合わせた心境で沙綾は思い出していた。
以下略 AAS



51:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:11:37.96 ID:YWfCY9A20

「学校どうだった、サーヤ?」

 そしてこの世界のPoppin'Partyのみんなと共に歩く帰り道で、沙綾はカスミにそう尋ねられた。

以下略 AAS



52:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:12:17.01 ID:YWfCY9A20

「あれ? 三人とも、どうかしたの?」

「いや、なんつーか……」

以下略 AAS



53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:12:47.36 ID:YWfCY9A20

 あまりにもまっすぐな言葉が沙綾の胸に刺さる。それに返す言葉を失っていると、カスミは沙綾の手をギュッと握った。

「ちょ、ちょっと、カスミちゃん」

以下略 AAS



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