46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:07:55.05 ID:YWfCY9A20
「はぁ……」
意外と泣き虫な自分へ向けて呆れたようにため息を吐き出す。けれど、泣いたら泣いたで沙綾はなんだかスッキリとしていた。
たらればの話。そんな世界にどうしてか迷い込んで、大切な友達に似た友達がいて、失ってしまった大事な存在がすぐ触れられる場所にある。
それに考えなければいけないことは多々あるけれど、いずれどうにかなるだろう。そんな楽観的な思考さえ浮かんでくる。
(今の私に出来ることは……この世界の私のために、しっかりすることだけ……だもんね)
そうだ。考えていたって仕方ない。私じゃない山吹沙綾がこの世界に帰って来た時のために、やるべきことをしっかりやらなければ。
お母さんに会うたび会うたび泣きそうになってたら、いずれ元に戻った時にこっちの沙綾が苦労するだろうし、頑張らなくちゃ……と意気込んで、その思考に何故だかとても寂しい気持ちになった沙綾は少し首を傾げるのだった。
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