53:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:12:47.36 ID:YWfCY9A20
あまりにもまっすぐな言葉が沙綾の胸に刺さる。それに返す言葉を失っていると、カスミは沙綾の手をギュッと握った。
「ちょ、ちょっと、カスミちゃん」
「あ、ごめん。痛かった?」
「ううん、そんなことはないけど……」
「じゃあ行こうよ!」
「えっと……」
「諦めろ、サアヤ」と、少し呆れ顔のアリサがポンと沙綾の肩に手を置く。「こうなったら香澄は止まんねーから」
「そ、そうなの?」
「うん……香澄ちゃん、とっても優しいから」
リミも柔らかい微笑みを浮かべ、アリサの言葉に頷いていた。
「私、はぐみのとこのコロッケが食べたいな」
「いいね、おたえ! それじゃあまず、はぐん家だね! さぁ行こう、サーヤ!」
タエと言葉を交わしたカスミに、沙綾は強く手を引かれる。
(……やっぱりカスミちゃんは香澄ちゃんなんだな)
こちらの都合はお構いなしの、強引ともとれる優しさ。それに夢を撃ち抜かれた日のことを思い出し、沙綾は手を引かれるままに歩きだした。
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