126:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:11:31.83 ID:YWfCY9A20
うん……ありがと。
正直に言うとない……ね。そういえば、入れ替わった前日って何してた? 私は有咲ちゃんの蔵で練習して、それからポピパのみんなと遊んでたけど。
127:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:12:21.29 ID:YWfCY9A20
9
晩秋の夜空は空気が澄み、晴れ渡っていた。
128:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:13:13.58 ID:YWfCY9A20
『ねぇ、沙綾ちゃん!』
ふと、声をかけられた。閉じていた瞼を開く。すると、目の前には香澄がいた。
129:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:13:48.97 ID:YWfCY9A20
それは花咲川高校の沙綾も同じだった。
目の前にいるのは、やっぱり自分の知るPoppin'Partyよりもいくらか破天荒な四人。だけど目を瞑れば、瞼の裏には自分のよく知る大切なみんながいる。
130:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:14:24.88 ID:YWfCY9A20
銀河鉄道の夜。ジョバンニとカムパネルラ。本当の幸いについて。
あの話の中では、幸せとは「迷いない自己犠牲の心」とされていた。それはきっと他者貢献の奉仕の心だろう。それともうひとりの自分のことが被る。
131:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:14:59.36 ID:YWfCY9A20
声をかけられて、ハッとする。
目の前には親友たちによく似たとても優しい友達がいて、沙綾のことを心配そうに覗き込んでいた。
132:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:15:35.68 ID:YWfCY9A20
それは、みんなにとっての山吹沙綾をこの世界に返すこと。
なんだかおかしな響きだな、と思って、沙綾はちょっとだけ笑う。それから夜空に目を移すと、一筋の流星が光を放った。
133:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:16:18.17 ID:YWfCY9A20
屋上で星空を眺め終わり、沙綾は家路を歩く。商店街にさしかかる前に、みんなとは手を振り、改めて「じゃあね」と伝えた。今はひとりの道だ。
きょろきょろと街並みを眺め、時おり上空の星たちを見つめ、夜の道を歩いて商店街に入る。もうすっかり歩き慣れた家までの順路に、少しだけノスタルジックな気持ちになった。
134:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:17:20.37 ID:YWfCY9A20
「父さん、そろそろ休んだ方がいいんじゃない?」
流れてくるギターサウンドに耳を傾けながら言う。
135:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:17:52.43 ID:YWfCY9A20
父にそう言われたのはこれで何度目だろうか。こちらの世界に来てから大体ひと月半だけど、その間にもう数えきれないくらい、そんな風なことを言われた。
詳しくは知らないけれど、どうにもこちらの沙綾はよほどワガママを言わない性格をしているらしい。この短期間で耳にタコが出来るくらい聞いているのだから、きっと相当だ。
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