130:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:14:24.88 ID:YWfCY9A20
銀河鉄道の夜。ジョバンニとカムパネルラ。本当の幸いについて。
あの話の中では、幸せとは「迷いない自己犠牲の心」とされていた。それはきっと他者貢献の奉仕の心だろう。それともうひとりの自分のことが被る。
私も私で、何かと人を優先させるきらいがある……とは自覚している。もうひとりの沙綾も一緒だろうということも分かる。
だけど、私たちの抱えるそれはそんなに崇高なものじゃない。ただ、友達とか家族とか、大切な人が喜んでくれるなら嬉しい。笑ってくれるなら嬉しいというだけのものだ。
そこだけを聞けば自己犠牲の心に沿っているかもしれない。でも、根本が違う。
私は、きっと私が笑いたくてみんなに優しくしてるだけだ。突き詰めてしまえば全部自分のためなんだ。
そう思うとなんだか自分のことが情けなくなるけど、でも、きっとそれでいいんだと沙綾は思う。
もしも自分がアンタレスの話のように、あるいはよだかの星のように、自己犠牲の末に輝く星になるとしたら……絶対、また香澄に怒られる。今度はみんなにも本気で怒られるかもしれない。
だからそれでいいんだろう。私も、もうひとりの私も。
みんなが楽しそうにしていて、その輪の中に、私も笑顔でいられる。
きっと、それでいいんだろう。
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