男「この俺に全ての幼女刀を保護しろと」
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384:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:21:06.39 ID:htj7Q5Kz0
愛栗子は止められぬ慈愛の魂を見た。今彼女の目に映る優しく暖かくも微かに熱い光はまさしくそれを可視化したものであった。
それは仏の依代か、それともそれもまた刃踏自身の私欲に過ぎぬのか……愛栗子には解せぬ。だが愛栗子の中にはその魂に賭けてみてもいいかもしれないという希望が芽生えつつあった。





385:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:21:48.00 ID:htj7Q5Kz0
刃踏「それにこれは愛栗子ちゃんが今お慕いしている彼のためにもなるじゃないですか。叶うことなら少しでも好きな人の力になりたいって……そう思いませんか」

そして愛栗子は彼女の次の言い分を耳に入れるとこの上ない脱力感を肩から覚えた。
もはや呆れすら通り越しそれが己の前に立ちはだかった時点で一度立ち止まることを強いられていると悟ったからである。

以下略 AAS



386:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:22:15.07 ID:htj7Q5Kz0


今度はそれが愛栗子の闘争の炎だったかのように、提灯の蝋燭が消えた。

刃踏「はわっ!?」
以下略 AAS



387:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:23:29.78 ID:htj7Q5Kz0
…………………………

翌、空は生憎の灰色。
黒とも白とも言いきれぬ雲たちがまだ太陽を隠していたが紺之介一行は予定通り木結芽をたった。一応の目標地点は源氏との邂逅を兼ね透水のいる導路港への逆戻りとなる。

以下略 AAS



388:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:24:03.37 ID:htj7Q5Kz0
乱怒攻流「ちょっとやめてよ。あんなせまっ苦しいとこだったから満足に眠れなかっただけ! 紺之介ったらあたしを納刀せずに寝ちゃったのよ。酷いと思わない? ねぇあんたも! 言うことあるでしょ」

最初こそしらを切る紺之介であったが次第に強めに袖を引く乱怒攻流に根負けし、ため息混じりに謝罪を吐き捨てた。

紺之介「俺が悪かったからそれをやめろ……で」
以下略 AAS



389:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:24:36.76 ID:htj7Q5Kz0
刃踏「あはは、そんな大層な作戦ではないんですけどね……紺之介さんどうです? 私に一任させていただけないでしょうか」

紺之介「ああ……」

締まりこそないが否定的でもない相槌を返した紺之介だったがその後は言葉を詰まらせてしまい、落ち葉を踏む音のみが段々と大きくなっていった。
以下略 AAS



390:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:25:30.24 ID:htj7Q5Kz0
紺之介(刃踏の力は確かに凄まじいものではあるが)

源氏曰く幼刀 児子炉-ごすろり-とは彼と志を同じくした破壊の刀である。故に奴のときとは大いに違い刃踏の身を全面的に賭けることとなる。
『戦わずして』とは甘美な響きであったが紺之介の中で既に戦いは始まっていると言えた。

以下略 AAS



391:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:26:20.13 ID:htj7Q5Kz0
紺之介が黙り込んでから落葉踏む音既に五十。途中座りこんだ奴を背負い込むと刃踏は彼の顔を少し覗き込みながら言った。

刃踏「まさか、源氏さんと炉ちゃんを同時にお相手するつもりではないでしょう?」

紺之介咄嗟に目をそらす。
以下略 AAS



392:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:26:59.89 ID:htj7Q5Kz0
紺之介は一つ大きめの深呼吸をすると深くうなづいて重く決心した。


紺之介「分かった。確かに考えてみれば源氏は手練で児子炉もまた幼刀……誰の傷も増やさずして楽になる方法が少しでも存在しうるのなら使わぬ手はないな」

以下略 AAS



393:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:27:33.60 ID:htj7Q5Kz0

刃踏が彼に微笑みを向ける一方で愛栗子は後ろで目を閉じて扇子を広げた。そこに何かを察した乱怒攻流は少し歩を緩めて愛栗子に近づくと小声で囁いた。

乱怒攻流「昨日も言ったけど、あれもきっと負け惜しみよ」

以下略 AAS



394:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:28:14.32 ID:htj7Q5Kz0
紺之介「どうしたフミ……は……?」

一瞬こそ手前二人の方を見た紺之介であったが、その奥から感じる禍々しい殺気をすぐさま読み取り顔を上げた。

源氏「よぉ」
以下略 AAS



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