魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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27:名無しNIPPER[sage]
2019/01/04(金) 01:27:11.08 ID:MmUC4cqDO
乙だけど
剣士、探検家、魔術師、僧侶と勇者じゃ5人だけど…
剣士がイコール勇者って事?


28: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:09:40.93 ID:wCydXtek0

* * *

 心臓がばくばくと鳴っている。唇が引き攣る感覚に苛立ちながらも、あたしは手を軽く上げて応えた。
 平静を装うことがこんなに難しいことだって思う日が来るなんて!
以下略 AAS



29: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:19:26.11 ID:wCydXtek0

 そもそもアトレイは生粋の魔王ではなく、その出自故に、恐らく人間族には面が割れていないという確信があたしにはあった。寧ろ、傭兵なんて賎業に身を窶すあたしのほうが、いくらか知られているかもしれないくらいには。
 だからあたしが気づかれていない以上、アトレイも気づかれない。証明終了。

「……」
以下略 AAS



30: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:23:42.46 ID:wCydXtek0

「呼ばれるから、そのときにまた受付の方へ来てほしい、だとさ」

「なるほど。どれくらいかかりますかね」

以下略 AAS



31: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:26:24.42 ID:wCydXtek0

「さっきの串焼きのお店がこの先にありまして、ずうぅぅうっと露店やら屋台やらが出ていたんですよ! 市場とは違ってて、なんていうんでしょ、あれ」

「いや、俺も知らんが、そう言う文化なんだろう。たぶん」

以下略 AAS



32: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:36:22.42 ID:wCydXtek0

 左手に錫杖。僧侶の全身の半分くらいの長さはあるだろうか。先端に三つの輪のついた金属製で、不規則に走査する紫の光から、それが鉱瘴を使って打たれたものだとわかる。恐らく魔術式が刻まれているはずだ。
 右手は空いているけど、中指の指輪と、滑らかな生地の篭手が気になった。あれにも魔術式が刻まれていると想定すれば、握手さえあたしは拒むだろう。

 すぐに装備を把握しようとするのは、完全に傭兵としての職業病だった。強い存在がいい傭兵になれるのではない。危機管理能力が高い存在こそが、一流足りえる。
以下略 AAS



33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:44:21.74 ID:wCydXtek0

「……」

 ぽかんとしているあたしたちに、その僧侶はまたも薄く笑って見せた。だけど今回は自身に対して笑っているようで、反応に困る。

以下略 AAS



34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:50:53.08 ID:wCydXtek0

 トリプルスピンは左手に錫杖を持っています。怪しいのは右手です。あたしが左手を出したからには、向こうも左手で応じなければいけないのは道理。
 あたしたちはそうしてしっかりと握手をしました。左手。そこからは魔力の波動も脈動も感じません。錫杖の残滓が微かに残っているくらい。

「……」
以下略 AAS



35: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:52:16.83 ID:wCydXtek0

 寧ろその認識は逆に利用できるのでは? 脳裏に閃きが走ります。男女二人で流浪の民をするよりは、こと人間族の領土に紛れ込む限りでは、そちらのほうが無難なのかもしれません。

「まぁ、色々ありまして」

以下略 AAS



36: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:53:13.06 ID:wCydXtek0

 そのまま小走りで一向に混じり、そして人ごみの中へと消えていきます。方角的には役所へ用事があるのかもしれません。ポータルがどうのこうの言っていたから、その申請という線はありました。確か役所の受付に、そんな文字が浮かんでいたように記憶しています。

「……」

以下略 AAS



37: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 23:08:20.91 ID:wCydXtek0

「あの距離で気づけってのは難しいだろう」

「肝が冷えましたよ」

以下略 AAS



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