魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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28: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:09:40.93 ID:wCydXtek0

* * *

 心臓がばくばくと鳴っている。唇が引き攣る感覚に苛立ちながらも、あたしは手を軽く上げて応えた。
 平静を装うことがこんなに難しいことだって思う日が来るなんて!

 四人は、勇者のパーティは、まだ会話に花を咲かせている。そうだ、それでいい。どうかそのままでいてほしい。

 そんな内心の嵐など露知らず、アトレイはてくてくとこちらへ歩いてきていた。あたしのように手さえひらひらさせながら。それがまた一層苛立ちを加速させる。

 いや、大丈夫だ。あたしよ、そんなに焦るんじゃない。
 アトレイはまだ外套を被っている。肌は悪魔特有の浅黒さがあるけど、注視しなければわからないだろう。魔力漏出の遮断も完璧だ。
 そうでなくてもこの「王都」とやらは人種の坩堝のように見えるので、問題なく看過される。看破されることはない。よし、平気平気。




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