魔王「停戦協定を結びに来た」受付「番号札をとってお待ちください」
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34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/01/06(日) 22:50:53.08 ID:wCydXtek0

 トリプルスピンは左手に錫杖を持っています。怪しいのは右手です。あたしが左手を出したからには、向こうも左手で応じなければいけないのは道理。
 あたしたちはそうしてしっかりと握手をしました。左手。そこからは魔力の波動も脈動も感じません。錫杖の残滓が微かに残っているくらい。

「……」

 握ったり、開いたり。特に変化はなし。変哲もなし。

 やはり、あたしの考えすぎだったのでしょうか。念には念を入れ、警戒するに越したことはないとは思いますが。
 目の前の四人の冒険者は、どこかの偉い人から「勇者」の称号を得、生きた旗印として未踏を切り開いています。そして魔族との争いの急先鋒でもある。

「恋人と旅行ですか?」

「まさか」

 そんなはずはありません。

 あたしたちは揃って首を振りました。どこをどう見たら仲睦まじく見えるのでしょう。もう少し、その細い眼を広げてごらんなさい。
 さすが常時発情期の種族は考え方が違います。これもまた一つの文化、風俗だと思いました。



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