356:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 01:55:20.24 ID:8oN8VcFcO
第四話
「ハァッ、ハァッ」
357:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 01:56:36.70 ID:8oN8VcFcO
軍勢の魔術に巻き込まれてしまったのだろうか、それとも既に逃げ出したのだろうか。
監視者は後者であることを祈りながら戦場を這い回り、何処にも彼女の姿がないことを確認しようとした。
358:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 01:57:04.43 ID:8oN8VcFcO
「頼む、やめたまえ……」
最早、戦場に人の声は届かない。命を擲つ獣と、命を奪う獣しか存在しない。
359:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 01:59:23.57 ID:8oN8VcFcO
彼女がいるなど信じたくはなかった。
しかし彼は、彼女もこの地獄に囚われ、血肉と骨の海で藻掻いていることを確信した。
360:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 02:00:02.78 ID:8oN8VcFcO
「許してくれ」
調合した薬を傷口に垂らすと、体がびくんと跳ねた。彼はそこに、そっと手をかざした。
361:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 02:01:03.43 ID:8oN8VcFcO
「君よ、どうした?」
彼女はじっと一点を見つめている。視線の先には狐と大猿がいた。
362:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 02:02:10.00 ID:8oN8VcFcO
「やはり、酷いな」
辿り着くと、彼女と同様の治療を開始した。
363:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 02:02:48.13 ID:8oN8VcFcO
答えはない。
魔術師達の輪は幾重にも重なっているようで、兵士達の姿は確認出来ない。
364:名無しNIPPER
2019/01/27(日) 02:03:35.92 ID:8oN8VcFcO
第四話 伝導
終わり
365:名無しNIPPER
2019/01/27(日) 02:04:06.03 ID:8oN8VcFcO
ここまでです、ありがとうございます。
366:名無しNIPPER[sage]
2019/01/27(日) 03:17:12.47 ID:ZeZyagcDO
乙乙
451Res/297.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20