勇者「彼は正しく英雄だった」
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362:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 02:02:10.00 ID:8oN8VcFcO

「やはり、酷いな」

辿り着くと、彼女と同様の治療を開始した。

極度に集中している為か戦場の音は消え去り、負傷した彼等以外の者は目に入らない。

彼は治療を終わらせると、直ぐさま彼女の下へと戻った。

「終わったよ。きっと助かる。少し、休ませてくれないか」

触れられる距離にありながら彼女には一切触れず、傍らに横たわった。

彼女の傍らにいられるだけで彼は満足だった。

彼女も何をするわけでもなく、ただ彼の様子を眺めている。

「何だ?」

先程まで治療に集中していたため気が付かなかったが、周囲に魔術師達が集まっていた。

何も言わず、彼と彼女に背を向けながら取り囲むようにしている。

「君たち、私達を守っていてくれたのか?」



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