360:名無しNIPPER[saga]
2019/01/27(日) 02:00:02.78 ID:8oN8VcFcO
「許してくれ」
調合した薬を傷口に垂らすと、体がびくんと跳ねた。彼はそこに、そっと手をかざした。
すると、傷口に垂らした液体は弾力性と粘着性のある膜のようなものに変化した。
それは傷口を被い、血止めの役割も果たしている。彼は他の傷も同様に治療した。
更には新たな薬品を垂らし、膜の成分を変えたりもした。それは彼女の反応を見て下した決断だった。
実際に医療経験はなく勘に頼っただけの治療だったのだが、奇跡的にその全てが的中したようだ。
最後は懐から水筒を取り出し、その全てを彼女に飲ませた。これが、彼の精一杯だった。
彼女は少し楽になったのか、彼の顔を見つめている。彼も、彼女を見つめ返した。
しかし、彼女はふいと目を逸らした。
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