35:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:50:30.51 ID:wXX+fiS7o
――――――
東京での新生活の準備は、家族総出で行いました。
引っ越しの後片付け、高校の転入手続き、当面の生活をこなすための買い出し。
36:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:51:30.57 ID:wXX+fiS7o
――――――
昼前、指定された時間よりかなり早めに到着し、案内されて向かった待合室に長いこと一人で待ちぼうけを食らっていました。
しばらくするとコンコン、と扉が叩かれます。
37:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:52:38.81 ID:wXX+fiS7o
「……ふふっ」
「あれ……私変なこと言いました……?」
「ふふふっ……いえ、ごめんなさい。少しだけおかしくって……ありがとうございます、おかげでリラックスできました」
「そうですか? ……なら、良かったです! えへへ」
38:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:54:05.91 ID:wXX+fiS7o
そして指定の時間を5分ほど過ぎた頃、ようやく案内係の人が部屋へ入ってきました。
「お待たせいたしました。ただいまよりオーディションを開始します……1番の方からどうぞ」
39:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:55:12.01 ID:wXX+fiS7o
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アイドル業界の“洗礼”を受け、私は無言でビルの玄関を後にします。
40:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:56:50.40 ID:wXX+fiS7o
とりあえずのお疲れ様会として、二人で駅前のカフェに入りました。
こんなとき、のむんだったらコーヒーに限ります。
もちろん、お砂糖は多めですが。
41:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:59:12.31 ID:wXX+fiS7o
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「……あ、そろそろ……ごめんなさい。電車の時間なので、私は帰ります!」
「……あぁ、もう8時ですもんね」
42:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:59:42.64 ID:wXX+fiS7o
確かに、そんな事ができればどれほど数奇で素敵なことでしょう。
「……そうですね。そうなればとっても楽しいと思います……」
「ん? ちょっと待って……」
43:名無しNIPPER[saga]
2018/12/15(土) 00:00:35.42 ID:UJ40b2tyo
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その女の子とは、それっきり会っていません。
最後かも知れないと言っていた事務所に決まったのか、
44:名無しNIPPER[saga]
2018/12/15(土) 00:01:37.75 ID:UJ40b2tyo
秋になり冬が近づく頃、いつものように「今回もだめだった」とお母さんに連絡を入れたとき、
「蓮実。いつでも帰ってきていいからね」
45:名無しNIPPER[saga]
2018/12/15(土) 00:03:27.39 ID:UJ40b2tyo
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「はぁ……憧れの季節は、もう終わり……。 吐息のネットも、悲しみ色……」
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