42:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:59:42.64 ID:wXX+fiS7o
確かに、そんな事ができればどれほど数奇で素敵なことでしょう。
「……そうですね。そうなればとっても楽しいと思います……」
「ん? ちょっと待って……」
私が返事を言い切るか言い切らないかで、女の子は自分の腕時計と駅の電光掲示板をにらめっこし始めました。
「あぁっ! この時計、10分遅れてる!? もう電車行っちゃう!!」
「えっ、大丈夫ですか!?」
「ダッシュで行きます! ごめんなさい、じゃあ! さようなら!」
「あっ、待ってください……!」
今度は慌ただしく走り出します。
途中何もないところでつまづき、転びかけた体をなんとか立て直して、
「名前……まだ聞いてないのに……」
頭につけた2つのリボンを揺らしながら大急ぎで向こうへ走っていった女の子は、やがて人混みに紛れて見えなくなってしまいました。
60Res/60.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20