144: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:43:44.08 ID:Co1Z/VQm0
こちらからかけ直そうとした瞬間、女性社員が俺を呼びに来た。
「森岡さん、警察の方がいらっしゃってますよ」
145: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:44:41.19 ID:Co1Z/VQm0
「行ってこい! 会社には俺から話通しとくから!」
「すまん坂田!」
146: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:45:15.39 ID:Co1Z/VQm0
病院は騒然としていた。怪我人があちこちに倒れていて、白い壁が赤く染まっている。
「……危険です! ここから離れましょう!」
147: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:46:23.43 ID:Co1Z/VQm0
「ぐえげげげげげ」
血だらけで精神崩壊した遠峯が、彼女の上に跨っていた。
鷹木さんが銃を構えても、あいつは全くこちらに意識を向けず、ただ彼女だけを見ている。
148: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:46:59.03 ID:Co1Z/VQm0
「遠峯! お前が憎んでいる男はここだ! 先に俺を殺せ!!」
遠峯は顎をシャフ度のように上げ、こちらに不気味な視線を向けた。
俺の同級生だった遠峯の面影なんて、もう残っていなかった。
149: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:47:33.43 ID:Co1Z/VQm0
「普通なら動けないはずなのに……!」
鷹木さんの額に脂汗が滲む。
恐怖で手が震え、銃を撃っても弾は外れてしまった。
150: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:48:56.39 ID:Co1Z/VQm0
「ぐあががが! ぎゃげごごごご!」
「じっとしていろ遠峯!」
151: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:49:41.52 ID:Co1Z/VQm0
――いつの間にか、俺は白昼夢を見ていた。
「彼女の命の灯は、もうじき尽きる」
152: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:50:17.53 ID:Co1Z/VQm0
俺の意識は病室に戻ってきた。
「本当は、昨日の内に渡そうと思っていたんだけどさ」
153: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:51:32.77 ID:Co1Z/VQm0
もう、いくつの窓の中を旅しただろう。
真っ黒な空間に、いくつもの真っ白なレースが浮かんでいる。
その中には、彼女の実家の部屋の窓にかけられていたものもあった。
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