151: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 20:49:41.52 ID:Co1Z/VQm0
――いつの間にか、俺は白昼夢を見ていた。
「彼女の命の灯は、もうじき尽きる」
クォ・ヴァディスが白い空間に立っている。
いつもと違って、微笑みを浮かべてはいない。真面目な表情だ。
「死んだ人間を蘇らせることはできない。けれど、今ならまだ間に合う」
「何を対価にすれば、彼女を助けられるんだ」
「君の悲哀のほとんどはもう売約済みだからね。対価にできるものは……肉体の健康かな」
俺は、心だけでなく、肉体の自由も失うことになる。
彼女が俺を助けてくれたことは無駄になってしまうけれど、俺は、彼女が俺にそうしたように彼女を助けたい。
「本当にいいのかい?」
「……頼む」
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