129: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:55:58.39 ID:BvLf2b/j0
水が湧き出ている場所に出た。
激しい水音が鳴り、泡が噴き出している。
流れに抗い、ここに潜らなければならないような気がした。
130: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:56:25.31 ID:BvLf2b/j0
激しく光っている地面を見つけた。
ここに、彼女の心の結晶が埋まっているみたいだ。
真上には俺が入ってきたのと同じような穴が開いている。
131: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:57:03.99 ID:BvLf2b/j0
穴を抜け、上の層に押し上げられても水流は止まらず、遥か上空へと飛ばされた。
ぽふん、ぽふんと雲のクッションが俺を受け止める。
結晶は何処に行ったのだろう。
132: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:57:39.97 ID:BvLf2b/j0
「モリ……オ……カ……」
低い男の声。
確かに遠峯のものだが、まるで理性を感じられない声色と化していた。
133: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:59:00.11 ID:BvLf2b/j0
暗雲の中に光るものが見える。
思っていた以上に結晶に近づくことができたようだ。
背筋に悪寒が走った。
134: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:59:28.30 ID:BvLf2b/j0
今度はあらゆる方向からナイフが飛んできた。
俺のATフィールドはもう限界だ。
やばい、これは死ぬ。
135: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/18(日) 23:59:55.43 ID:BvLf2b/j0
「この世界から出ていけ!」
雲の上に存在する大量のオケナイトを集結させ、無数の針を奴に向かって飛ばした。
奴の体に細くて白い針が突き刺さる。
136: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:00:24.20 ID:Co1Z/VQm0
巨大なつららをイメージして、空中から遠峯の胸に落下させた。
生々しい音が響く。
「……ふう」
137: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:00:56.57 ID:Co1Z/VQm0
「恋人を助けたいかい?」
「ナハトさん? じゃない! 大人ヴァルク! 大人ヴァルクだ! 夢の中でだけれど、こうして会えるなんて!」
彼女は知っているキャラクターの姿をした彼を見ると、はしゃいでペタペタと触りまくった。
138: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/19(月) 00:01:26.84 ID:Co1Z/VQm0
「今にも彼の命の灯は消えてしまいそうだ。けれど、君が悲しみを対価に僕と契約してくれれば、彼を助けることができる」
「悲しみを対価にしたら、私はその後どうなるの」
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