110: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:46:18.87 ID:nT+bOUGp0
だが遠峯にもダメージがあるは確かだ。
俺は左にずれ、思いっきり奴の背中をスコップの刃で殴りつけた。
遠峯はバランスを崩し、崖へと落ちていった。
111: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:47:03.76 ID:nT+bOUGp0
「ああそうだな! でももしお前が俺より魅力的な男だったら、彼女はお前を選んだだろうさ! 幼馴染であることなんか関係なく、俺が良い男だから彼女は俺を選んでくれたんだよ!」
俺の言葉を聞いて、奴は叫びを上げた。
逆上し、俺の服を使ってよじ登ろうとしている。
112: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:48:05.23 ID:nT+bOUGp0
敢えて大人しく奴によじ登らせ、ある程度の高さまで来たところで、俺は思いっきり頭を後ろに動かした。後頭部による頭突きである。
ワープで崖の上に移動してもよかったのだが、奴に直接攻撃してやりたかった。
113: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:48:35.10 ID:nT+bOUGp0
崖からガリガリガリと音がしている。遠峯がまだよじ登ろうとしているようだ。
俺は手探りで何か武器になるものがないかどうか探した。確か、石があったはずなのだ。
丁度いいサイズのものを掴むことができたので、振り落としてやった。
114: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:49:18.49 ID:nT+bOUGp0
スコップで右足の周りの地面を掘り、立ち上がって辺りを探索した。
墓石から俺や知人の名前は消えていたが、1つだけ名前が刻まれたままの墓があった。
深城 璃奈――彼女の、名前だ。
115: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:50:06.45 ID:nT+bOUGp0
『ねえ、森岡』
『なんだよ、深城』
116: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:50:42.69 ID:nT+bOUGp0
彼女が俺の家に来るのは久しぶりのことだった。
TCGで遊ぶなんて、いつぶりだっただろう。
『サイバーエンドドラゴンでブラパラを攻撃! あ、リミッター解除発動しとく!』
117: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:52:06.20 ID:nT+bOUGp0
『……なあ』
俺は、彼女と距離が離れてしまったことを寂しく思っていた。
幼稚園の頃みたいに名前で呼び合って、周りの目を気にせず遊べたらどんなにいいだろう。
118: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:52:38.45 ID:nT+bOUGp0
「なんだあいつ、ツンデレかよ」という考えと、「周りがからかってくるし、俺に期待させたくないからあんな風な発言が出るんだろうなあ」という考えが同時にわいた。
その日の夜、俺が自分の部屋に行って宿題をしていると、彼女の声が聞こえた。
119: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:53:18.88 ID:nT+bOUGp0
「おめでとう」
クォ・ヴァディスが拍手をくれた。
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