113: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:48:35.10 ID:nT+bOUGp0
崖からガリガリガリと音がしている。遠峯がまだよじ登ろうとしているようだ。
俺は手探りで何か武器になるものがないかどうか探した。確か、石があったはずなのだ。
丁度いいサイズのものを掴むことができたので、振り落としてやった。
命中したらしい音と、奴の声が聞こえた。
風を切るような音がしている。今度こそ、奴は下に落ちたらしい。
ふと、空気が軽くなったような気がした。
のそり、のそりとした足音が聞こえてくる。
「元気が出る 青いモノ オイテ〜ク〜」
オイテ〜ケ〜と言われるのかと思ってちょっと焦った。
どうやら、ミイラが青いクスリを俺にくれたようだ。
ライフも魔力も回復する優れものである。
瓶詰めのそれを掴み、俺はお面をずらして飲んだ。
視界が明るくなっていく。
視力が回復し、脇腹の切り傷も癒えた。
曇っていた空は晴れ、リラ色のメルヘンな星空になっていた。
この世界の免疫である魔物達は、地面や墓石に座って穏やかに夜空を眺めている。
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