106: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:42:36.54 ID:nT+bOUGp0
ゾンビに血を吸われていく。
このままでは、俺は心象世界から弾き出されてもう二度とここには来られない。
どうすればいい。どうすればいい!?
107: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:43:33.89 ID:nT+bOUGp0
お面をイメージして被ると、予想通り免疫は俺を襲うのをやめた。
「この世界の主にとっての敵はそいつだ! そいつを襲ってくれ!」
108: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:44:34.30 ID:nT+bOUGp0
ここに遠峯を落とせば、確実に奴は免疫によってこの世界から排除される。
奴はミイラを振り払ってこちらに向かってきた。
俺は柵の一部を蹴ってぶっ壊し、遠峯の突撃に備えた。
109: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:45:17.44 ID:nT+bOUGp0
遠峯は後方に倒れた。
カラカラとスコップが転がる音が聞こえる。
俺は素早くスコップを拾い上げ、構えた。
110: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:46:18.87 ID:nT+bOUGp0
だが遠峯にもダメージがあるは確かだ。
俺は左にずれ、思いっきり奴の背中をスコップの刃で殴りつけた。
遠峯はバランスを崩し、崖へと落ちていった。
111: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:47:03.76 ID:nT+bOUGp0
「ああそうだな! でももしお前が俺より魅力的な男だったら、彼女はお前を選んだだろうさ! 幼馴染であることなんか関係なく、俺が良い男だから彼女は俺を選んでくれたんだよ!」
俺の言葉を聞いて、奴は叫びを上げた。
逆上し、俺の服を使ってよじ登ろうとしている。
112: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:48:05.23 ID:nT+bOUGp0
敢えて大人しく奴によじ登らせ、ある程度の高さまで来たところで、俺は思いっきり頭を後ろに動かした。後頭部による頭突きである。
ワープで崖の上に移動してもよかったのだが、奴に直接攻撃してやりたかった。
113: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:48:35.10 ID:nT+bOUGp0
崖からガリガリガリと音がしている。遠峯がまだよじ登ろうとしているようだ。
俺は手探りで何か武器になるものがないかどうか探した。確か、石があったはずなのだ。
丁度いいサイズのものを掴むことができたので、振り落としてやった。
114: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:49:18.49 ID:nT+bOUGp0
スコップで右足の周りの地面を掘り、立ち上がって辺りを探索した。
墓石から俺や知人の名前は消えていたが、1つだけ名前が刻まれたままの墓があった。
深城 璃奈――彼女の、名前だ。
115: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/17(土) 20:50:06.45 ID:nT+bOUGp0
『ねえ、森岡』
『なんだよ、深城』
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