15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:09:54.56 ID:LgMjPCNT0
【一幕 いきさつ#3】
さて、そんな風に私たちのチームが少しは物になった頃だ。
五人はいつかのようにプロデューサーに呼び出されてレッスンルームに揃っていた。
16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:11:39.03 ID:LgMjPCNT0
「こちら、劇団唐変木の木無塚さん。君たちの演技レッスンを
何度か指導しているから見知っているとは思うけども、今日は大切な話があって来てもらった」
「どうも、無理やり叩き起こされてきた休日出勤の木無塚です。
17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:13:00.77 ID:LgMjPCNT0
本を手にした木無塚さんが言う。
「これは昔、まだ765に劇場なんて無かった頃に書いた話でね。
主演はこの山師が売り出そうとしてた男嫌いのお嬢さん――」
18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:14:09.81 ID:LgMjPCNT0
「あてがきですか〜? お手紙を出すときに書いておく、相手の住所と名前のことですよ〜」
難なく答えているけども、先の文脈から察するに、
今話してるあてがきとは全く別の物だろうな。
19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:15:50.30 ID:LgMjPCNT0
「塚さん、塚さん。アナタ、褒められてるんじゃなくて気味悪がられてるんですよ」
「なにっ!? どうしてそんな反応をされなきゃならんのだ。
こっちはね、今回の直しの為に五人のプロフィールから何から読み返してイメージを膨らませたってのに」
20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:17:28.18 ID:LgMjPCNT0
「……少し見苦しいところをお見せしたね。それで、先ほどの質問を答えようか」
仕切り直すような咳払いを一つ。
身の置き所を探すような口ぶりで木無塚さんは断ると、改めて私たち五人と向き合った。
21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:18:35.42 ID:LgMjPCNT0
【二幕 壁を掘る人#1】
どうして私が? そう思った。
琴葉さんじゃないの? とも思った。
22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:20:15.56 ID:LgMjPCNT0
「……こうなったのも半分はお前のせいだからな」
「桃子たちのこともよろしく頼みますよ」
23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:23:20.40 ID:LgMjPCNT0
『その世界は四方に壁があった』
語り部の声が響く。
24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:24:39.57 ID:LgMjPCNT0
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劇は順調に進んでいく。登場人物も次第に増えていく。
街を取り仕切る立場にいる男装の麗人(こちらも私が知ってる人。菊地真ちゃんが演じていた)に、
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