20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/07/07(土) 16:17:28.18 ID:LgMjPCNT0
「……少し見苦しいところをお見せしたね。それで、先ほどの質問を答えようか」
仕切り直すような咳払いを一つ。
身の置き所を探すような口ぶりで木無塚さんは断ると、改めて私たち五人と向き合った。
そうして、彼から渡された台本をプロデューサーが一部ずつみんなに配っていく。
受け取れば、見た目の厚みの割りにある重さに少しだけ気持ちが後ずさる。
でも、始める前からこれじゃいけない。
私は本を両手でしっかり持ち直すと、木無塚さんの話に耳を傾けて、
次の瞬間、驚きにソレを取り落とした。
……なぜならば、だ。
「今回の話で主役を演じてもらうのは、高山紗代子、君だ」なんて冗談には聞こえない宣告を、
私はみんなの前で言い渡されてしまったのだから。
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