5:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:15:57.90 ID:1KrY7Zfp0
◇
「中学校でトランペットパートを担当してました、一年生の吉川優子です!」
6:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:18:25.43 ID:1KrY7Zfp0
「優子、ペットパートの方はどうだった?」
今日の練習が終わり、マウスピースを水道で洗っていた私に、誰かが軽快に肩を叩く。
振り返ると、そこには銀色のフルートを片手に爽やかな笑顔を向ける、希美の姿があった。
7:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:23:07.58 ID:1KrY7Zfp0
一年に一回、私たちは、全日本吹奏楽コンクールと呼ばれる大会に出場する権利が与えられている。
京都府では、京都府大会がまずはじめに行われ、そこで勝ち上がれば、次に関西大会、そして最後には全国大会という順番で進んでいく。
私たちは、日々の練習を積み重ねながら、自分の技術をみがき、これらのコンクールに向かって、集団となって立ち向かうということになる。
8:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:25:02.41 ID:1KrY7Zfp0
「でもさ、希美の中では変わってないのよね」
「ん? なにが?」
9:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:26:17.39 ID:1KrY7Zfp0
「……全国、か」
たった一年ばかりの記憶が、もう既に遠く昔のことに思えた。
南中の全員で一丸となって挑んだコンクール。その晴れ舞台で、私たちの団体は、銀色に光る不名誉な称号を得た。
10:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:35:25.40 ID:1KrY7Zfp0
「あの、優子ちゃん。ちょっといいかな」
ぼんやりと水面を眺めていた私の肩を、再び誰かが叩く。
はい? と振り返ると、そこには金色のトランペットを携えた二年生の先輩が、こちらの様子を伺うように立ち尽くしていた。
11:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:37:08.37 ID:1KrY7Zfp0
「中世古先輩、ですか」
「ふふ。優子ちゃんも、私のこと、下の名前で呼んでくれるとうれしいな」
12:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:40:55.87 ID:1KrY7Zfp0
「それで、あの、私に何か用事ですか?」
ようやく絞り出した私の声に反応するように、香織先輩はすこしだけ眉をさげる。その表情はどこか、困っているようにも思えた。
13:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:45:36.91 ID:1KrY7Zfp0
「そう言えば、さっきフルートの一年生と話していたみたいだけど」
「希美のことですか?」
14:名無しNIPPER[sage]
2018/06/15(金) 00:47:31.37 ID:wXEP0nBPO
蘭子「混沌電波第151幕!(ちゃおラジ第151回)」
ex14.vip2ch.com
蘭子「混沌電波第152幕!(ちゃおラジ第152回)」
ex14.vip2ch.com
蘭子「混沌電波第153幕!(ちゃおラジ第153回)」
15:名無しNIPPER[sage]
2018/06/15(金) 00:59:27.41 ID:1KrY7Zfp0
響けユーフォニアムから、二年生組の過去話になります。
(なので今回は久美子たちは話にでてきません)
また、アレな表現もあるので、苦手な人は注意してください。
ゆっくり更新していきます。
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