6:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:18:25.43 ID:1KrY7Zfp0
「優子、ペットパートの方はどうだった?」
今日の練習が終わり、マウスピースを水道で洗っていた私に、誰かが軽快に肩を叩く。
振り返ると、そこには銀色のフルートを片手に爽やかな笑顔を向ける、希美の姿があった。
私はため息混じりに視線を落とすと、指先で金属のふちを優しくなぞり上げる。
「……んー、想像以上。フルートは?」
「たぶん、そっちと同じ。愛想笑いしすぎて頬が痛くなっちゃった」
内緒話に声をひそめあげ、私たちはくすりと顔を見合わせて笑う。
こんな陰口を先輩たちに聞かれでもしたら、入部直後から目をつけられてしまうに違いない。
「中学の頃のスパルタ時代と比べると、なんか気が抜けちゃうよね。まあ、私的にはこっちはこっちで楽しいけど」
私はその意見に賛同することはしない。ただ相槌をうつように、うん、とこたえるだけだ。
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