優子「希美、部活やめるってさ」
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7:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:23:07.58 ID:1KrY7Zfp0

一年に一回、私たちは、全日本吹奏楽コンクールと呼ばれる大会に出場する権利が与えられている。
京都府では、京都府大会がまずはじめに行われ、そこで勝ち上がれば、次に関西大会、そして最後には全国大会という順番で進んでいく。

私たちは、日々の練習を積み重ねながら、自分の技術をみがき、これらのコンクールに向かって、集団となって立ち向かうということになる。

だけど、私たちは、常に“空気”という目には見えない何かで縛られている。
吹奏楽部員にとって、これだけは時として、ひとりの力ではどうしようもないくらい大きな壁となって立ちはだかる。

ひとたび、集団としての足場が崩れ去れば、あとは引きずられるようにして、だいじに守ってきたはずの何もかもが無残に壊れはじめる。

今の北宇治は、すでにそうなってしまった跡だけが、ひどく歪んだかたちで残っていた。




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