8:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:25:02.41 ID:1KrY7Zfp0
「でもさ、希美の中では変わってないのよね」
「ん? なにが?」
希美はいつもの調子で目を少しばかり見開くと、洗い場に立ち尽くす私からの言葉を待つ。
頭のリボンを右手でいじりながら、やはり恥ずかしげもなく私はその期待に応える。
「全国、行くんでしょ? 北宇治でさ」
「ふふ。もちろん!」
目じりを下げた希美は、同じパートの同級生に名前を呼ばれると、私にそそくさと手を振って、そのまま教室の中へと入っていった。
私はその姿をちいさく見送ると、水に濡らされて、きらきらと輝く自分のマウスピースをまじまじと眺める。
15Res/13.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20