10:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:35:25.40 ID:1KrY7Zfp0
「あの、優子ちゃん。ちょっといいかな」
ぼんやりと水面を眺めていた私の肩を、再び誰かが叩く。
はい? と振り返ると、そこには金色のトランペットを携えた二年生の先輩が、こちらの様子を伺うように立ち尽くしていた。
その桃色に光るおおきな瞳は、目の前のわたしを見据えたまま、ただただ申し訳なさそうに揺れている。
「あっ、ごめんね。とつぜん下の名前で呼んじゃって。すこし、馴れ馴れしすぎたかな」
「ああ、いえ、それはぜんぜん大丈夫ですけど。えーっと、その、」
私が言葉を詰まらせていると、その先輩は何かに気付いたかのように、ぱんと両手で手を鳴らすと、そのまま私に向けて丁寧に会釈をした。
「そう言えばまだ自己紹介がまだだったよね。私は、二年生の中世古香織です。優子ちゃんとおなじで、トランペットを吹いてます。これからよろしくね」
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