12:名無しNIPPER[saga]
2018/06/15(金) 00:40:55.87 ID:1KrY7Zfp0
「それで、あの、私に何か用事ですか?」
ようやく絞り出した私の声に反応するように、香織先輩はすこしだけ眉をさげる。その表情はどこか、困っているようにも思えた。
「さっきはごめんね。一年生が来てくれたばっかりだったのに、あんな風に邪険に扱っちゃって」
本当はみんなで仲良くできればいいんだけどね。香織先輩はまるで自分が悪いことをしてしまったかのような口ぶりで頭を下げていた。
「そんな! 香織先輩はなにもしてないじゃないですか、むしろ悪いのは――」
「優子ちゃん、」
優しく咎める香織先輩の声に、はっと顔をあげる。
分かっていたはずなのに、いつの間にかこの場では言ってはいけないことを口走りそうになっていた。
そんな私にやっぱり香織先輩はやわらかい笑みをこぼした。
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