115:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/01/17(木) 23:18:06.57 ID:8MWYKcmw0
「私が話すから勇者は少し離れていてくれないか」
遊び人の声は、いつになく冷ややかなうえに更には冷たい視線まで俺に送ってきている。
116: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:58:06.23 ID:YlZ38RDP0
遊び人の厳しい目が、炎魔将軍に突き刺さる。
まるでその眼差しに耐えられなかったかのように、炎魔将軍がぽつりとこぼした。
117: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:58:32.92 ID:YlZ38RDP0
「遊び人、離れろ!」
叫ぶと同時に俺は体当たりで、遊び人を吹き飛ばす。
118: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:58:59.30 ID:YlZ38RDP0
「逃げられたか」
119: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:59:26.22 ID:YlZ38RDP0
「次に会ったら、絶対に殺す。」
120: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:59:52.70 ID:YlZ38RDP0
――――――
121: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:00:21.76 ID:YlZ38RDP0
ではなぜ、俺たちが恋仲にあるでもなく部屋を一つしかとらなかったかといえば答えは単純で金欠であったからである。
俺たちは立ち寄った村々で剣の腕をつかい路銀を稼いできたが、そういった仕事も毎度あるわけではない。
そして何より俺と彼女の旅はその性質上、資金のほぼ全ては酒代へと消えていくのだ。
122: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:01:21.79 ID:YlZ38RDP0
大男が唸りながら宿帳をとりだした。
123: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:01:49.87 ID:YlZ38RDP0
「どうした、何が気に食わないんだ?」
124: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 20:02:17.02 ID:YlZ38RDP0
部屋に荷物を置き、階段を降りると遊び人が既に机の一角に陣取っている。
他の宿泊客は先ほどのやり取りを聞いていたのだろう、まるで演劇の一幕を楽しむがごとく奇異の目を向けている。
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