116: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:58:06.23 ID:YlZ38RDP0
遊び人の厳しい目が、炎魔将軍に突き刺さる。
まるでその眼差しに耐えられなかったかのように、炎魔将軍がぽつりとこぼした。
「なあ、見逃してはもらえぬか?」
「魔王の居場所を教えてくれたらね」
「それはできん。殺せ」
炎魔将軍の表情は真に迫っている。ブラフではない、本当に死を覚悟している者の顔だ。
すると今度は、遊び人の表情に困惑が浮かんだ。
「そんな物騒なこと言わないでよ。だいたい、私のナイフは全部貴方に燃やし尽くされちゃったのよ」
炎魔将軍の目がギラリと妖しく光る。
「それに、魔力だってほとんど残っていないんだから」
そこからは一瞬だった。
炎魔将軍の輪郭が揺らいだかと思ったら、彼を縛り上げていた縄が燃え上がり彼の手には炎によって作り上げられた刀が握られていた。
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