遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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115:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/01/17(木) 23:18:06.57 ID:8MWYKcmw0


「私が話すから勇者は少し離れていてくれないか」

遊び人の声は、いつになく冷ややかなうえに更には冷たい視線まで俺に送ってきている。
その原因に一切の見当もつかないものの、母親に叱られる子供のようについ「はい」と答えてしまっていた。

彼女と炎魔将軍から幾分か離れたところで俺は振り返った。
声は届かない。だが、会話の内容を読み取る方法なんていくらでもある。
俺は、目を凝らし彼女たちの唇を読む。

「ねえ魔王がどこにいるのか教えてよ」

「知っていれば教えているさ。本当に知らないんだ」

「うそね」

「本当さ」

二人の問答は、街角で出会った友人同士が交わすあいさつのように淀みないものだ。
その日常にあふれるような有様であるが、まったくもって異常だ。

これまでも、遊び人は魔物たちから巧みに情報を引き出してきた(情報の有益性は別としてではあるが)。
彼女の問いかけに、彼らは常に誠実に答える。少なくともはた目からはそのように見える。

俺が問いかけても無視をするか、罵詈雑言を浴びせてくる連中が彼女の前では尻尾を振る犬の如しである。

当然、彼女のことを疑った。
「魔王軍と何らかの関りがある」まではいかなくとも、禁じられた拷問魔法や自白剤の類を魔物たちに使用している可能性は十分にある。
できれば、そのような真似を彼女にはしてほしくない。

というわけで俺は、彼女と魔物たちとの会話を盗み聞くのが習慣となっていた。
残念なことに、もしくは喜ばしいことにその成果は一切にあがっていない。
いまのところは彼女はとてつもない聞き上手である。と自分に言い聞かせ無理やり納得している。

「しかし、胸もなかなかに膨らんでてしっかり大人の女の子だねえ」

エロ将軍がいやらしそうな視線で彼女を嘗め回す。

「……話をそらさないで」

右腕に力がこもる。気が付くと剣の柄に右手がかかっていた。
二人の間に割り込んでエロ親父を成敗してやりたい衝動に襲われる。


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