118: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:58:59.30 ID:YlZ38RDP0
「逃げられたか」
「ありがとう、勇者。君の助けが無かったら、喉を切り裂かれてた」
再び、彼女の顔をみる。
「俺たちが相手しているのは、魔族だということを忘れたのか?迂闊にもほどがあるぞ」
「もう戦意はないと」
「君は魔族に優しすぎる。その結果がこれだ、見てみろ」
いや、見れるわけがない。見れるわけがないのだ。
俺としたことが冷静さに欠けている。
「来てくれ……回復魔法をかけるから」
「ありがとう」
彼女に、回復魔法をかける。頬の傷がみるみるうちに塞がっていく。
そう、傷は塞がるのだ。塞がっていくだけ。
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