120: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/02/19(火) 19:59:52.70 ID:YlZ38RDP0
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千鳥足テレポートの帰還術式で酒場に戻った俺たちは、村のはずれにある宿屋へと向かった。
おそらく元は酒場だったものを改装したのだろう、扉を入ると机がいくつか並べてあり宿泊客らしき人達が食事をとっていた。
広間の奥には、カウンターがあるが本来酒が置いてあるはずの棚には代わりに部屋の鍵らしきものが並べてある。
机の隙間を抜け、カウンターの中にいる禿頭の大男へと話しかける。
「宿をとりたい」
禿頭の大男改め宿屋の主人がチラリと俺たちの様子を見る。
見慣れない旅人、飛び込みの宿泊客を見定めているのであろう。
「一部屋でいいな。二階の一番奥の部屋を使ってくれ」
そういう仲ではないと主人を制すると、遊び人が抗議の意思がこもった視線を飛ばしてくる。
「私は一部屋でも構わないけど」
「いや、できれば二部屋とりたい」
確かにこれまでの旅路の中、ほぼ毎日床を共にしている。
勘違いしないでほしいが、床を共にしたというのは至極直接的な意味であって。
残念なことに何か過ちが起こった夜など一夜としてない。
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