97:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:25:13.77 ID:A6rjc17z0
右も左も、辺りはすっかりクリスマスムード。
鮮やかなイルミネーションに彩られた夜の街を、幸せそうな顔をして歩く人々。
その中にあって、私は、そう――ヒールが折れて、道端でうずくまっていたのでしたね。
98:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:26:31.06 ID:A6rjc17z0
「――――?」
――携帯にセットしたアラームが鳴っています。
99:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:29:03.08 ID:A6rjc17z0
「はい、では予定通り、10時半頃にそちらに……いえ、私一人ですので。あ、白菊も同席させた方が?
……かしこまりました、ありがとうございます。では、先ほどの書類を持ってお伺い致しますね。よろしくお願いします」
受話器を置き、私は書類をバッグに収めて席を立ちました。
100:名無しNIPPER[sage]
2018/04/29(日) 19:30:59.90 ID:DajCBWyM0
智香「ゴーゴーファイトだよ三船さん!☆」
101:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:31:54.65 ID:A6rjc17z0
電車に揺られ、駅を出て国道沿いに歩みを進めると――。
――何度来ても、大きな事務所です。
102:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:34:30.60 ID:A6rjc17z0
08A会議室――ここかしら。
引き戸が開いていたので、そっと中を覗くと――。
103:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:37:53.91 ID:A6rjc17z0
私達の事務所と、この人の事務所の、ライブ対決。
その勝った方にのみ、346プロへの編入を正式に認める。
104:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:41:54.39 ID:A6rjc17z0
「……弊社が、ですか?」
話の意図が分からず、キョトンとした顔をするしかない私に、その男の人は手を振りました。
「だからさぁー! 分かんない?
身の程を弁えた方が、って話ですよ。オタクも子供じゃないんだからそれくらい察してほしいけどなぁ。
105:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:45:21.89 ID:A6rjc17z0
「はぁぁぁ!? 何そいつ、やっぱ俺も行った方が良かったな」
レッスンが終わった後、ほたるちゃんと一緒に事務所に戻り、その事を話すと、プロデューサーさんは分かりやすく憤慨しました。
「俺だったらそんな野郎、ボッコボコのケチョンケチョンのパーにしてやったのによ」
106:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:48:19.13 ID:A6rjc17z0
「彼の言う通りだ」
事務員さんがゲロちゃんを差し出して、プロデューサーさんが百円を入れました。
「我々が考える事は一つ。
白菊君のステージを成功させる事だけだ。結果なんて後からついてくる」
107:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:50:56.38 ID:A6rjc17z0
「ほたるちゃん」
すっかりハの字になった眉で、今にも泣き出しそうな顔をほたるちゃんは私に向けます。
「美優さん……」
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