19:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:27:17.93 ID:A6rjc17z0
初めてこの夢を見たのは、部活動をしていた、中学生くらいの頃。
あまりに怖くて、泣きながら夢の中で死にもの狂いで走り、汗びっしょりで飛び起きたのを覚えています。
20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:31:44.68 ID:A6rjc17z0
「かしこまりました。取り急ぎ、PDFか何かでピロッと送っていただけましたら、後は私の方で段取り致しますので。
……えぇ、そうですね、原本は後で……いえ、こちらこそ恐れ入ります。よろしくお願いします、失礼致します」
受話器を置き、プロデューサーさんが隣に座る事務員さんに、雑談の続きをします。
21:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:35:23.27 ID:A6rjc17z0
「あっ……あ、ありがとうございます、すみません、三船さん」
彼女は、驚いた様子で私の顔を見て、ペコペコと頭を下げます。
私も手を振り、彼女の隣に腰掛けてみました。
22:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:37:51.29 ID:A6rjc17z0
二人でほとんど同時に声を上げ、顔を向けると、事務員さんが手際よくお盆にお菓子を乗せていました。
「キミは私達の仲間であり、運命共同体だ。仲間のお菓子くらい満足に食べられないでどうする」
「ネーサン、俺にも一個ちょうだい」
23:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:40:19.73 ID:A6rjc17z0
「……すごく、しっかりした事務員さんなんですね。プロデューサーみたい」
「私も最初、そう思いました」
そう言って、二人で忍ぶように笑い合います。
24:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:45:56.07 ID:A6rjc17z0
「えっ? え、えぇ……まずは、レッスンかなぁと…」
どう返答して良いか分からず、私はプロデューサーさんの方に目をやります。
「こんにちはー、ヤクルトでーす」
25:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:49:28.65 ID:A6rjc17z0
「あの……トレーナーさんにも、ご了解をいただいていますので、心配はいりませんよ」
「そ、そうですか……?」
むしろ、「白菊さんはすっごく育て甲斐がありますっ!」と、トレーナーさんは鼻息を荒くしていました。
26:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:52:18.27 ID:A6rjc17z0
ここ最近は、外にご出張されてばかり――プロデューサーさん、本当に忙しそう。
「……あら」
27:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:55:39.28 ID:A6rjc17z0
「お待ちしてましたよ! お疲れ様ですっ!」
「お、お疲れ様です……?」
次の日、レッスンスタジオに着くと、トレーナーさんが臨戦態勢と言った様子で、私と白菊さんを迎えました。
28:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:56:55.47 ID:A6rjc17z0
ほ、本当に――?
やがて、レッスンが始まると、それは襲ってきました。
トレーナーさんに――。
29:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 15:59:29.61 ID:A6rjc17z0
「…………」
帰り道、やはり白菊さんは、自責の念に囚われてしまっているようでした。
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