173:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:47:19.32 ID:LS54PsoZ0
時間にして、どれだけ経っていたのかは分かりません。
公園に着くと、既に開催しているはずのそこは、大雨が打ち付ける音しか聞こえませんでした。
174:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:49:40.52 ID:LS54PsoZ0
目的の場所にたどり着くと、テントの中は大勢のスタッフさんとアイドル達でいっぱいでした。
「はぁ、はぁ……」
びしょ濡れでテントに入り込んできた私にも、周りの人達は見向きもしません。
175:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:53:16.41 ID:LS54PsoZ0
「えっ?」
「び、びしょ濡れだから、これタオルです」
振り返ると、私に声を掛けてくれたのは、高校生くらいの女の子でした。
176:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:56:29.16 ID:LS54PsoZ0
「いやーしぶりんの気配り精神がしかと実を結んだねぇ、やるじゃん、ウリウリ」
「放っておかずにちゃんと持ってるなんて、凜ちゃんさすがですっ」
「たまたま目に入っただけで、別に私は……それより」
177:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:01:06.92 ID:LS54PsoZ0
「な、何だとぉっ!? しぶりん何してんの!それでもニュージェネの、えーと何だ、ニュージェネか!!」
「しょうがないでしょ! まさか同じようなの落とす人が二人もいるなんて思わないし」
「あわわわ! み、未央ちゃん凜ちゃん、人前で喧嘩は良くないですよ」
「人前でなくても褒められたもんじゃないよね」
178:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:03:25.01 ID:LS54PsoZ0
「もう一度……」
「えっ?」
「もう一度、その人が何て言って受け取ったか、なるべく正確に教えてもらえますか?」
179:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:05:44.61 ID:LS54PsoZ0
本当は、最初から、彼に聞いておけば良かったのかも知れません。
ですが、ありがたい事に、後悔する気分にはなれません。
180:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:10:32.70 ID:LS54PsoZ0
「どうしてくれるんだ、とは?」
「落とし前だよ、落とし前っ!!
俺達はこのフェスにかけてきたんだよ、オタクらとは違ってなぁ!!」
「お言葉を返すようで恐縮ですが、我々は魔法使いではありません」
181:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:14:18.40 ID:LS54PsoZ0
「何だと……?」
「彼女が背負う不幸が、全て彼女のせいでしょうかと聞いているんです」
182:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:19:58.38 ID:LS54PsoZ0
急に声を掛けられ、ビックリして振り返ると、事務員さんでした。
「アレは放っておいて良い」
「えっ? で、でも…」
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