小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:46:06.43 ID:WQSNhX7B0
○
私の事務所のもうひとりの天使について簡単に紹介しようと思う。
以下略
AAS
35
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:46:41.88 ID:WQSNhX7B0
休憩室の自販機でお茶とジュースを買い、奥の目立たないテーブルに向かい合って座った。
そしてどうやって話を切り出したらいいか分からなくて私がもじもじしていると、文香さんがゆっくりと話しはじめた。
「卯月さんは、具体的にどのように不安定なんでしょうか?」
以下略
AAS
36
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:47:24.95 ID:WQSNhX7B0
「卯月ちゃんは、自分はからっぽなんだって言ってました」
「それは天使に限らず、人間や動物といったあらゆる現象に対して言えることです」
文香さんは意外なくらいはっきり答えた。
以下略
AAS
37
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:48:01.79 ID:WQSNhX7B0
「私の役割は、物語を語ることです。そしていま、私は美穂さんの物語を語っています。それが私の考えです」
「えっと……」
私は目をぱちくりさせて文香さんの言ったことの意味を考えようとした。
以下略
AAS
38
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:48:38.20 ID:WQSNhX7B0
「卯月さんのお力になりたい……美穂さんは先ほどそう仰っていましたね」
私は力強くうなずいた。
「であれば私から言えることは2つあります。ひとつは祈るのを止めないということ、もうひとつは――」
以下略
AAS
39
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:49:17.18 ID:WQSNhX7B0
「どうしたの、お姉ちゃん」
「文香ちゃんに呼ばれたの。べつにおどかそうって思ったわけじゃないよ?」
「透けてるみたいだけど……」
以下略
AAS
40
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:49:55.34 ID:WQSNhX7B0
◇
ねえ、わたし思ったんだけど。
以下略
AAS
41
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:50:43.99 ID:WQSNhX7B0
私たちは大きな建物の屋上でアイスキャンディーを食べながらさっき観た映画の感想を言いあっていました。
それでお姉ちゃんがあんまり映画の出来をけなすので私は映画がかわいそうだと思って反論しようとするんだけど、お姉ちゃんにさからうと後がこわいので仕方なくキャンディをぺろぺろ舐めてごまかすのでした。
この屋上は私たちのお気に入りの場所で、昼間は遠くの景色までよく見えるし、夜は星がとても綺麗なので、私たちは映画を観終わったあとはいつもここに来るのです。
以下略
AAS
42
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:51:15.24 ID:WQSNhX7B0
「たぶん、そういうことじゃないと思う。この映画で言いたかったことは、人はみんな自分に都合の良いように現実を歪めて見ていて、それを思い出として自分のなかにもう1つの現実を作ってしまうってことなんだと思う」
「ふーん……?」
「でもそれって悪いことじゃないと思うの。だって人は生きてる限り、好むと好まざるとにかかわらず誰かの思い出になるわけでしょ?」
以下略
AAS
43
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/04/24(火) 22:52:01.65 ID:WQSNhX7B0
もしお姉ちゃんの言うとおり物語に必ず終わりがあるなら、あの2人の女の子の物語が今もまだ心のなかに残り続けているのはどうしてだろう?
私はこんな風に考えました。
たぶん、物語というのは私たちがそれを忘れないかぎりいつまでも終わらないもので、そしてきっと私自身も、私以外の誰か――たとえばお姉ちゃんなど――の思い出のなかに残り続けるかぎりいつまでも終わらないものなんだと思う。
以下略
AAS
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