小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
1- 20
41:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:50:43.99 ID:WQSNhX7B0
私たちは大きな建物の屋上でアイスキャンディーを食べながらさっき観た映画の感想を言いあっていました。

それでお姉ちゃんがあんまり映画の出来をけなすので私は映画がかわいそうだと思って反論しようとするんだけど、お姉ちゃんにさからうと後がこわいので仕方なくキャンディをぺろぺろ舐めてごまかすのでした。

この屋上は私たちのお気に入りの場所で、昼間は遠くの景色までよく見えるし、夜は星がとても綺麗なので、私たちは映画を観終わったあとはいつもここに来るのです。

「明日はなんの映画にしよっかな」

「わたし、もうおこづかい無い……」

私がそう言うとお姉ちゃんはフェンスにがっくり寄りかかって大きな溜め息をつきました。

「度重なるキャンディ税の負担により私たちは健康的で文化的な最低限度の生活も保障されていません、ってね」

「??」

「お金がないならアイスキャンディなんて買ってんじゃないわよ」

「だって、お姉ちゃんが食べようって言うから」

「はいはい、それは悪かったわね」

地平線の遠くで夕日が輝いていました。
反対側の空には半分に欠けた月がさみしそうにぶらさがっています。

「どうして最後、女の子は消えちゃったんだろう?」

そう質問したのは私でした。
まぶしそうに目を細めて夕日を眺めていたお姉ちゃんは答えました。

「主人公が気付いてしまったからよ。最初から全部、都合のいい自分の妄想だったってことにね」

「え、そうなの? ぜんぶ妄想だったの?」

「全部っていうか、その女の子に対してだけね。たぶん」

「じゃあ女の子は最初からいなかったの?」

お姉ちゃんは少し考えてから言いました。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
57Res/75.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice