小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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43:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:52:01.65 ID:WQSNhX7B0
もしお姉ちゃんの言うとおり物語に必ず終わりがあるなら、あの2人の女の子の物語が今もまだ心のなかに残り続けているのはどうしてだろう?

私はこんな風に考えました。

たぶん、物語というのは私たちがそれを忘れないかぎりいつまでも終わらないもので、そしてきっと私自身も、私以外の誰か――たとえばお姉ちゃんなど――の思い出のなかに残り続けるかぎりいつまでも終わらないものなんだと思う。

そうして物語は私とお姉ちゃん、あるいは他のもっとたくさんの思い出とのあいだをぐるぐるぐるぐる回りつづけるのだ。

私にはその考え方がとても素敵なことのように思えました。

だって、そうすれば世の中にバッドエンドなんて必要なくなるし、たとえ私がお姉ちゃんのことを忘れちゃったとしても、それが物語の終わりにはならないからです。
あ、でもそれだとハッピーエンドも一緒になくなっちゃうのかな。
それはそれでちょっとさみしいかも。

「ね、お姉ちゃん」

「んー?」

「回ることについての研究、わたしもすこし考えてみたんだ」

「へえ、どんな?」

「それはね……」

私はお姉ちゃんみたいにリロセイゼンと話すことが苦手なので、ときどきヘンな方向に話が逸れちゃったりしたけど、なんとか自分の考えてることをお姉ちゃんに説明しようと試みました。
お姉ちゃんはふんふんと相槌をうちながら私のへたくそな話を聞いてくれました。

「なかなか興味深い考察ね」

はじめてお姉ちゃんが私の意見を褒めてくれたので私は有頂天になりました。
でも、

「でもね、残念ながらわたしの研究はもっと先に進んじゃってるのよ。もっと根本的なところに目を向けなきゃって思ってね」

「根本的って?」


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