16:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 01:20:10.08 ID:ah/HvYxA0
「けほっ……楓さん」
「まぁまぁ。酒も滴る良い男ですよ、プロデューサー♪」
「……む」
17:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 01:31:33.25 ID:ah/HvYxA0
明後日の方を向く兄ちゃんへ隣の姉ちゃんがチラチラと視線を送る。
いやもうチラチラじゃねぇな。滅茶苦茶見てるわ。
18:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:10:02.45 ID:ah/HvYxA0
兄ちゃんが慌ててぐい呑みに口を付ける。
姉ちゃんの手が底を支えて、その角度が見る見る内に垂直へ近付いていく。
アルコール度数九十度、なんてな。
19:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:13:48.16 ID:ah/HvYxA0
― = ― ≡ ― = ―
「しらたき貰えますか?」
「あいよ」
20:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:22:40.97 ID:ah/HvYxA0
「酒をかっ喰らって、良い男を振り回して、安酒屋の売れ残りを誑かすようなのばっかりか」
「……ふふ、大丈夫ですよ。残り物には福があるって、確かな情報筋から仕入れました」
「そりゃ良い事を聞いちまった。で?」
「そうですね……」
21:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:30:01.58 ID:ah/HvYxA0
「そうか」
「はい」
「ありがとよ。店じまいだ」
「はい……あ、そういえばお幾らでしょう」
22:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:37:22.17 ID:ah/HvYxA0
「ほら、プロデューサー。閉店ですよ」
「……ん……んん?」
俺が首を捻っていると、姉ちゃんが兄ちゃんの身体を軽く揺すり始めた。
23:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:55:53.11 ID:ah/HvYxA0
「では、ご馳走様でした」
24:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:59:45.99 ID:ah/HvYxA0
― = ― ≡ ― = ―
「おーう! やってるかい大将!」
25:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 16:07:39.79 ID:ah/HvYxA0
正直に言う――笑った。
ネットってのは便利なモンで、高垣楓と入力すればあっという間に数十万件のページがヒットした。
曰く、所属プロダクションでも指折りの看板アイドル。
26:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 16:35:50.12 ID:ah/HvYxA0
座ったまま暖簾を覗き込もうと引っ繰り返った酔いどれを放って、飾ってあった色紙の埃を軽く払う。
『オススメ! こいかぜに来いかぜ♪ 高垣楓』
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