19:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:13:48.16 ID:ah/HvYxA0
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「しらたき貰えますか?」
「あいよ」
卓に沈んだ兄ちゃんを尻目に舟から白滝を掬い上げる。
仕込んだタネもほとんどが姿を消して、俺は少し考えてからとろ火を消した。
ようやく降り止んだ雪は靴を半分埋めるくらいには積もっていて、
こりゃ朝には街中がスケートリンク状態だろう。冗談は厳禁だな。
「ふぅ……」
卓に鎮座する四合瓶もまぁ、ほとんど空だった。
飲むな、姉ちゃん。
「……」
俺は煙草をふかして、姉ちゃんは吐息を零して、しばらく音が途絶える。
背後のホームから終電が近いとのアナウンスが聞こえて、誰かが転ぶような音が続いた。
「アイドルってのは、みんな姉ちゃんみてぇな奴なのか?」
「え?」
姉ちゃんが顔を上げて、現れたのはやっぱりえらく整った面だった。
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