高垣楓「おでん」
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22:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 15:37:22.17 ID:ah/HvYxA0

 「ほら、プロデューサー。閉店ですよ」
 「……ん……んん?」

俺が首を捻っていると、姉ちゃんが兄ちゃんの身体を軽く揺すり始めた。
鈍い反応を返す声に、姉ちゃんの笑顔が一段深まった。

 「もう帰りましょう、ね?」
 「……うーん、ん、は、い……」
 「あ、でも、このままの状態じゃ、お家で転んでケガしちゃうかもしれませんね」
 「えー……んー……んん……?」
 「ですから、今夜は私の家にお泊まりしましょう」


 「…………んー、うん……楓、さん?」
 「お泊まりしましょう」
 「あー……んん……」
 「お酒が美味しかったから大丈夫ですよ。タクシーならすぐです」

多分、これが噂に聞く芸能界の闇ってヤツだろう。
俺は聞こえないフリを貫きつつ、心の中で静かに静かに手を合わせた。

頑張れ、姉ちゃん。いや兄ちゃん。


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